任意整理中でもカーローンは通るのか?
目次
任意整理中はカーローン審査で不利になるといわれています。なぜなら、信用情報いわゆるブラックリストに任意整理の記録が残っている為、返済する能力が低いと判断されてしまいます。
その一方で、任意整理中でもカーローン審査に通るといった事例もあります。
どういう場合なら任意整理中でもカーローン審査に通るのか、また、車が必要な場合にカーローンを組まずに利用する方法について解説します。
任意整理とは
そもそも任意整理とは、裁判所での手続をとらずに、直接債権者と交渉して、借金を減額してもらう手続のことをいいます。
債務整理の中の手続きの一つで、遅延損害金や利息をカットしてもらうことで、ケースによって異なりますが、元金を36回〜60回(3年〜5年)の分割で支払うように調整します。
元金のみの返済になることによって、借金の完済がより早くなる手続きのことです。
任意整理中にカーローンは組めるのか?
原則、任意整理をして完済するまでの間は、カーローンの中の銀行系ローンとディーラーローンを組むことは非常に厳しいです。
後から説明しますが、「自社ローン」と呼ばれるローン会社を通さずに、販売店が定める独自の審査基準で組むローン契約に関しては、任意整理中であっても利用できる可能性があります。
任意整理中はカーローンを組むことは難しい
任意整理中は、自分の情報が信用情報機関に金融事故情報として登録されている為、カーローンだけではなく、約5年〜10年ほどは新たに借り入れをすることが困難です。いわゆるブラックリスト状態となり、その期間中は車などのローンを原則組むことが出来ないと考えましょう。
任意整理中にカーローンを組むことが難しい理由
そもそもカーローンの申込みがあった場合、申し込みを受けた側はまず信用情報機関に申し込んだ人の信用情報を確認し照らし合わせます。
その上で、「長期に渡ってしっかりと返済していける能力があるか」を見極め、ローンを受けるかどうかの判断をします。任意整理手続きの記録があると、多くの場合、「長期敵に安定した返済が望めない」と判断されてしまう為、任意整理中のローンを組むことは困難となるのです。審査の基準は各ローン会社によって異なります。信用情報のこと、勤続年数・職業・収入など、色々な情報をみて総合的に判断することで、返済する能力があるかを評価しているのです。
数ある項目の内、どこを重視しているのかは、それぞれのローン会社によって異なる為、任意整理中の方でもローン会社に「返済が能力ある」と判断された場合は、カーローン審査に通る可能性もありますが、基本的には任意整理中であれば、カーローンを組むことは非常に難しいことに間違いないでしょう。
任意整理中に車が必要になった場合のカーローンを組む方法
任意整理中にカーローンを利用したい場合、基本的には信用情報機関から自分の任意整理の記録が削除される5〜10年後のタイミングを待つことになってしまいます。しかし、そんなことは言ってられない、すぐにでも車が必要なこともあると思います。
そのような場合にどうすれば良いか、任意整理中にカーローンを組める方法をいくつか紹介します。
自社ローンを利用する
先ほど軽く説明をしましたが、「自社ローン」とは、中古車販売店がローン会社を通さずに独自の基準で審査を行っているカーローンのことをいいます。
独自の基準による審査があるのは信販会社・銀行系でのカーローンと同じですが、中古車販売店は指定信用情報機関の会員ではない為、信用情報機関に照会をして、信用情報を調査することを行わないので、任意整理中でも、審査に通る可能性は比較的あるといえます。
また、「自社ローン」の場合は金融商品ではないので金利は0%です。
またその一方で信販会社・銀行系のカーローンの金利に相当する金額分が車両本体の価格に上乗せされてしまうケースも多く、他のカーローンと同等もしくは、月々の返済額が高くなる場合がある為、注意が必要です。
カーローンを家族名義で組む
家族で使用する車が欲しい場合に、家族の中に任意整理中の人がいるケースにおいては、任意整理をおこなった本人以外の家族が申し込むことで、カーローンを組める可能性が大いにあります。
またその中には申し込む家族本人の収入が安定していることを前提として、連帯保証人を立てなくてはいけないカーローンもあるので、あらかじめ確認しましょう。
なお、ローン返済の際の引き落とし口座は契約する本人名義でなくてはなりません。
カーリースを利用する
カーリースを利用する場合、受付をする際に信用情報機関の照会が行われるため、任意整理中の利用は少し難しい場合が多いといわれます。
しかし、リースをしている会社のなかには、まったく審査がない、もしくは自社審査でのリースを行っている会社も存在する為、あらかじめインターネットで調べてそのような会社を探し、リース契約を結ぶのも一つの手です。
そういった場合には、自社ローンと同様に、信用情報機関での情報照会をしないため、自分の債務整理の情報が審査の際に反映されてしまう可能性は低く、その為審査を通過する可能性が十分にあるのです。
任意整理中にカーローンを組む場合の注意点
ここまで任意整理中でもカーローンを組める可能性がある方法を紹介してきましたが、そういった方法でカーローンを組む場合は以下のことに注意しましょう。
任意整理に対する返済に更にカーローンの返済が上乗せされてしまうため、毎月の返済額が今まで以上に膨れ上がってしまいます。
もし現状、経済的に余裕が生まれている状態で、しっかりと返済できる見通しがある場合に関しては、たとえ任意整理中でもカーローンを申し込んでも特に問題ありませんが、もしも、任意整理の返済分がに遅れてしまった場合、様々な面で困難が生じてしまうと思われます。
もし、任意整理中でのカーローンの申し込みを検討されている場合は、そういったリスクを踏まえた上で、検討することを推奨します。
任意整理中にカーローンを組まずに車を利用する
ここでは、前項で説明した方法でのカーローンを組むのが厳しい方々にそれ以外での任意整理中に車を持つ方法をいくつか紹介いたします。
一括払いで中古車を購入する
現金一括払いで中古車などを購入する場合カーローンを組む必要がない為、任意整理中だったとしても問題なく車を手に入れることができるというわけです。
それなりにまとまったお金が必要になりますが、格安で中古車を購入したり、知り合いなどから譲り受けたりなどすることで、初期費用を抑え、少ない負担で車を手に入れることが可能になります。
ただし、その際には購入する車の状態をしっかり判断しないと、故障やトラブルによって余計にメンテナンス費用がかかることもあるので注意しましょう。
レンタカーを利用する
車の利用頻度があまり高くない場合に関しては、レンタカーを利用することもひとつの選択肢になります。
通常レンタカーの申込みには審査がなく、現金で料金の支払いができるので、任意整理中であったとしても利用することに支障はありません。
ただし、日常的にレンタカーを使用してしまうとそれなりに費用がかかってきてしまうので、車の利用頻度が高い方にはお勧めできません。
車のサブスクを利用する
車のサブスクリプションサービスを利用することで、定額料金で自分好みの車に乗ることができます。
一切の初期費用が不要ですし、車にかかる税金や維持費なども月額料金に含まれてくるので、特に大きな出費をほとんどせずに車を利用することができます。
ただ、こういったサービスを利用する場合はカーローンの時と同じように審査に通る必要があります。リースによって支払う金額は「車両本体価格-契約満了時の車の価値」となる為、車を購入する場合よりも抑えられることが多いです。
そのため審査が通るハードルはカーローンより低いといわれています。
まとめ
任意整理中にどうしても車が必要な方に向けて、どのように審査が行なわれて、ローンが組めるようになるのか、実際に車の購入方法や利用方法をご紹介いたしました。
自社ローンを活用したり、これまでに紹介した方法をうまく利用することで、任意整理中であったとしてもカーローンを組める可能性があります。