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任意整理をするとクレジットカードには影響がでる?

任意整理 弁護士 石田直也

任意整理を行うと、借金の負担が軽減される一方で、多くの方が心配するのは、所有しているクレジットカードにどのような影響が出るかです。この記事では、任意整理後に自分のクレジットカードに及ぼす影響について詳しく説明いたします。

任意整理とは

そもそも任意整理とは、裁判所での手続をとらずに、直接債権者と交渉して、借金を減額してもらう手続のことをいいます。
債務整理の中の手続きの一つで、遅延損害金や利息をカットしてもらうことで、ケースによって異なりますが、元金を36回〜60回(3年〜5年)の分割で支払うように調整します。

元金のみの返済になることによって、借金の完済がより早くなる手続きのことです。

クレジットカードの借金を任意整理するメリット

まず初めにクレジットカードでの借金を任意整理するメリットを3つ紹介します。

リボもその対象になる

自分にとって無理のない返済方法に変更する任意整理を行うことで、月々の返済額を今よりも減額することも可能になります。

また、その際ショッピングリボだけではなく、キャッシング利用分や通常のショッピングも任意整理の対象となります。

将来利息をなくすことができる

クレジットカードでの借金を返済できずに困っている人に共通しているのが、長期間の返済によって利息が膨れ上がっているということです。任意整理を行うことでクレジットカードの将来利息をなくすことできるので、返済での負担を軽減できます。

また返済が遅れて遅延損害金が発生している場合に関しても、金融機関によりますが、損害賠償金のカットに応じることがあります。

支払い期間と返済金額を調整できる

直接債権者と交渉することで支払い期間を調整できます。
任意整理を行う場合、利息を差し引きして残った債務を約3〜5年で返済することになります。

つまり最高5年間の支払い期間の延長ができるので、月々の返済金額を無理のない範囲に調整することが可能になります。

任意整理するとクレジットカードはどうなるのか

任意整理を行なったクレジットカード、またそのカード特有のポイントなどがその後どうなってしまうのか説明します。

クレジットカードは強制退会になる

現在利用しているクレジットカードを任意整理すると、そのクレジットカードは強制退会になり、その後、利用できなくなってしまいます。

その為、もし保険料や各種公共料金などの支払いがカード払いになっている場合、あらかじめ支払い方法を変更する必要があります。

任意整理後は、ローンの契約・新規カードの作成は一定期間できなくなります。
これは信用情報機関に、金融事故情報として掲載されてしまうからです。掲載された情報は、一定期間経過することで削除されます。

任意整理後にカードを作成または利用したい場合は、事故情報として掲載された記録が削除されるまでの約5年以上経過するまで待つ必要があります。

カードに貯まっていたポイントはどうなる?

上記の理由で強制退会になることに伴って、そのカードに溜まっていたポイントもすべて失効してしまいます。もっとも任意整理を行う前に貯まっていたそのポイントをすべて利用する行為は、手続きを行う上でまったく問題ありません。

しかし、任意整理を行う前にカードの利用可能枠を使い切り購入した物品を売る、いわゆるクレジットカードの現金化を行ってしまうと、任意整理が失敗することがあります。

ETCカードはどうなる?

ETCカードの中でもクレジットカードに付帯しているものに関しては、任意整理後も継続して利用できます。これは突然ETCカードが利用できなくなることによって起きてしまうかもしれない交通事故を防ぐ為です。

ただしクレジットカード会社によって、ETCカードの継続利用を禁止している場合もあるので、あらかじめ利用している金融機関のETCカードの取り扱いが任意整理後にどうなるのかチェックしておきましょう。

家族カードはどうなる?

任意整理後は、発行していた家族カードもクレジットカードと同様に強制退会扱いとなるため利用できなくなってしまいます。

なので、家族に家族カードを渡していた場合、カードが急に利用できなくなることで、任意整理を行ったことが知られてしまう可能性があります。

任意整理後でもカードを利用したい場合

任意整理をすると、使っていたクレジットカードが強制退会扱いとなるため使用できなくなってしまいます。もっともキャッシュレス決済やネットショッピングが一般化してきているご時世でカードが利用できないことは日常生活で不便かと思います。

任意整理後に利用できなくなってしまったクレジットカードに替わる代替方法を4つ紹介します。

デビットカード

デビットカードとは、指定・登録してある銀行口座から即時決済ができるカードのことをいいます。

クレジットカードよりも利用できる店舗は少ないですが、任意整理後でもカード決済を利用することができます。なおデビットカードは原則一括払いなので、買い物の際は注意が必要です。

家族カード

家族カードとは、契約者の家族に対して発行できるクレジットカードのことをいいます。

たとえ任意整理後だとしても、家族カードであればクレジットカードとして利用できます。ただし、引き落としは契約者の指定・登録した銀行口座からのみになっています。

その為、家族カードを利用するためには、家族に説明し理解してもらう必要があります。

プリペイドカード

プリペイドカードとは、前もって自分でチャージした金額分を利用できるカードです。

デビットカードと同様に、利用できる店舗は少ないですが、任意整理後だとしても問題なくカード決済を利用できます。なおデビットカードと同様に、プリペイドカードも原則一括払いになります。

スマホ決済・電子決済

スマホ決済や電子決済は、任意整理後だとしても利用できます。また、引き落とし口座を設定することで利用できるスマホ決済・電子決済もあります。

特に電子決済に関しては、指定した銀行口座から即時引き落としされるデビットカードのようなものや、利用分をチャージしておくプリペイドカードのようなものまであり、種類は様々です。

クレジットカードを任意整理する前の注意点

クレジットカードを任意整理する前に抑えておきたい注意点を2つ紹介します。

連絡は本人または弁護士に行うように債権者へ伝える

あらかじめ債権者からの連絡は、自宅ではなく本人もしくは弁護士に行うように伝えておきましょう。家族に内緒で任意整理を行なおうとしてる場合、自宅に直接連絡が来ると家族にばれる可能性が高いです。

本人の携帯電話もしくは弁護士を通じて連絡をとることで、家族にばれることなく任意整理を進めることができます。

書類の送付先は弁護士宛にしてもらう

手続き直後は、債権者から督促状や請求書が届く場合があります。
通常1〜2週間経過すれば書類の送付は止まりますが、それでも督促状や請求書が届く場合は、まず弁護士に確認してもらいましょう。

ただし任意整理期間中でも、債権者が裁判をおこす場合、自宅に直接郵便物が裁判所から届きます。任意整理が始まるまで約半年近くの返済を滞納してしまっている場合、裁判をおこされる可能性があるので、早めに弁護士に相談して手続きを進めましょう。

任意整理後にクレジットカードを作るためのポイント

ここでは任意整理後にクレジットカードを作るためのポイントを4つ紹介します。

自分が任意整理していない会社を利用する

任意整理後、一定期間経つと金融事故情報は削除されるため、ローンの契約や新規クレジットカードの作成も行えます。しかし、以前任意整理を行った金融機関の場合、社内ブラックとして過去に任意整理をしたという情報が残されていることがあります。社内ブラックとは、利用者が任意整理や返済を滞納した情報を、各金融機関が保管していることを指します。社内ブラックの情報は、半永久的に各金融機関で保管されてしまうため、任意整理後に一定期間が経過していてもその金融機関でローンやカードの審査に通ることはありません。

任意整理後にローンの契約や新たにクレジットカードの作成を行う場合、任意整理していない会社を利用しましょう。

信用情報機関で自分の信用情報を確認する

新たにクレジットカードの作成を行う前に、必ず信用情報機関で自分の信用情報を確認してください。

各金融機関が加盟している信用情報機関と、情報開示請求の方法・金額は以下のとおりです。

・CIC
主な金融機関 :信販会社
クレジットカード会社
事故情報掲載期間:5年
開示請求方法 :オンライン 手数料¥1.000-
:郵送    手数料¥1.000-
:窓口    手数料¥500-
・JICC(株・日本信用情報機構)
主な金融機関 :消費者金融
クレジットカード会社
事故情報掲載期間:5年
開示請求方法 :オンライン 手数料¥1.000-
:郵送    手数料¥1.000-
:窓口    手数料¥500-
・KSK(株・全国銀行個人信用条センター)
主な金融機関 :全国の銀行
事故情報掲載期間:5年以上
開示請求方法 :オンライン 手数料¥1.000-
:郵送    手数料¥1.000-
:窓口    手数料¥500-

短い期間で複数の申し込みを行わない

短い期間で複数回クレジットカードの申し込みを行うと、申し込みブラックになってしまいます。これは信用情報機関が、申し込み情報も細かに記録しているからです。短期間に複数回申し込むのではなく、1つ1つの金融機関の審査が終わってから申し込むようにしましょう。

申し込み情報は、ブラックリストと違って半年間しか記録しないので、審査に落ちても半年経過すると再度申し込みを行うことができます。

キャッシング枠を付帯しない

キャッシング枠をクレジットカードに付帯させると、ショッピング枠だけの場合よりも審査を通るのが難しくなります。貸金業法に基づいた返済能力の審査がキャッシング枠を付帯させたカードを発行する場合に行われるためです。

特にクレジットカードのキャッシングを利用する予定がない場合に関しては、任意整理後のクレジットカードにはショッピング枠のみで発行した方が、審査に通りやすくなります。

まとめ

任意整理後は、一定の期間クレジットカードが利用できなくなってしまいます。

しかしプリペイドカード・デビットカードといったようなものや最近では電子決済・スマホ決済などで代用できるので、任意整理後でもクレジットカードがある時と変わらず生活できます。

任意整理後にクレジットカードが利用できなくなってしまうことを恐れて返済せずに放置していると、利息が膨れ上がり、自己破産や個人再生せざるを得なくなります。

月々の返済が厳しいと感じ始めたら、任意整理をすべきかどうか弁護士に相談してみるとよいかもしれません。

この記事の監修者

石田直也

不安な気持ちを抱えている方、お話を聞かせてください。不安な気持ちが解消されるようお手伝いさせていただきます。

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