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クレジットカードは過払い金請求できる?

過払い金請求 弁護士 石田直也


最近、テレビやラジオのCMなどで「クレジットカード利用で過払い金が発生している可能性がある」「払いすぎた利息が戻ってくる」といった言葉を聞いたことのある方も多いと思います。
この記事では、クレジットカード利用で過払い金が発生する場合や、クレジットカードの過払い金請求の流れ、注意点等について解説しています。

クレジットカードでなぜ過払い金が発生するのか

すべてのクレジットカードの利用で過払い金が発生するわけではなく、「キャッシング利用分」のみ過払い金が発生している可能性があります。

そもそも過払い金とは、利息制限法で定められた上限金利を超える金利で取引した場合に発生する「払いすぎた利息」のことです。
2010年6月17日以前、利息を制限する法律は「利息制限法」と「出資法」の2つがありました。利息制限法の上限金利が年15~20%だったのに対し、出資法の上限金利は年29.2%でした。この上限金利の差は通称「グレーゾーン金利」と呼ばれ、利息制限法の上限を超えても出資法に抵触しない限りは刑罰が科されなかったのですこのため多くの金融業者がグレーゾーン金利での貸付を行い、結果として借金を返済できない人が続出していました。
※本来、グレーゾーン金利は利用者が払う必要のない利息です。

しかし、2010年6月18日の法改正後、出資法の上限金利は利息制限法と同様、年20%に引き下げられました。更に2006年1月13日、最高裁判所によりグレーゾーン金利が無効であるという判決が出ました。年20%を超過した金利に基づく借金返済分は、過払い金として返還請求が可能であると判決が下されたのです。

このため、2010年6月以前にキャッシングを利用した場合でも、「上限金利を超えて支払った利息」を計算して過払い金を請求することで、払い過ぎた利息=過払い金を取り戻すことができるようになりました。

過払い金が発生している可能性がある主なカード会社の例

クレジットカード会社によって、過払い金請求で過払い金が取り戻せるか、過払い金請求してからお金が返ってくるまでどのくらいの期間を要するか、といったことは変わります。
以下は、過払い金が発生している可能性のある主なカード会社の例です。

カード会社名 カード名
アプラス 新生VISA
新生アプラスなど
エポス(旧マルイ) エポスカード(マルイカード)
ゼロファースト(エムワンカード)
オリエントコーポレーション オリコカード
コジマカード など
クレディセゾン セゾンカード
UCカード など
セディナ OMCカード
CFカード
クオークカード など
三井住友カード 三井住友VISAカード
三菱UFJニコス NICOS
DCカード など

クレジットカードの過払い金請求における条件

過払い金の請求には以下のような条件があります。

キャッシングリボである

キャッシングリボとは、キャッシングで借り入れたお金をリボ払いによって返済することです。キャッシングは、貸金業法が取り締まる金銭の貸し借りの契約に該当するため、グレーゾーン金利での借り入れ経験があれば、過払い金が発生している可能性があります。

利息制限法の上限金利を超える利率で取引している

2010年6月17日以前は、利息を制限する法律が「利息制限法」と「出資法」の2つあり、上限金利にグレーゾーン金利がありました。
しかし、2010年6月18日に法改正がなされ、出資法の上限金利は利息制限法と同じく年20%に引き下げられました。

このため、2010年6月以前にキャッシングを利用した場合は、過払い金が発生している可能性があります。
特に、2007年以前に過払い金が発生しているケースが多いようです。

最後の取引から10年以内である(時効を過ぎていない)

過払い金の請求には時効があります。最後の借入または完済から10年経過すると、時効を迎えてしまい請求が不可能となってしまいます。
したがって、過払い金が発生している場合は、最後の取引から10年以内に請求しなければなりません。

対象クレジットカード会社や消費者金融が倒産していない

利用していたクレジットカード会社が既に倒産し消滅している場合、請求先が無くなるため過払い金を取り戻すことが難しくなります。

ただし、対象のクレジットカードが吸収・合併された場合は、過払い金請求できることがあります。
こちらは吸収先のクレジットカード会社に過払い金請求することで、過払い金を取り戻せます。
対象の会社例は以下の通りです。

吸収したクレジットカード会社 吸収されたクレジットカード会社
エポス ゼロファースト
セディナ オーエムシーカード
セントラルファイナンス
クオーク
ニコス 日本信販
UFJカード
ディーシーカード

クレジットカードの過払い金請求ができない条件

ショッピングリボである

ショッピングでの毎月の支払いには手数料が発生しますが、これは金利数料(利息)ではなく、割賦販売法に基づく分割手数料です。
キャッシングとは異なり金銭を借り入れる契約ではないため、過払い金が発生することはありません。

銀行カードローンのリボ払いである

そもそも銀行のカードローンの金利は、グレーゾーン金利とは全く異なり法律の範囲内です。
したがって、原則的に過払い金が発生することはないと考えられています。

クレジットカードの過払い金請求の流れ

リボ払いの過払い金を請求する場合は、以下の流れで手続きを行うのが一般的です。

【過払い金請求の手順】
賃金業者から取引履歴を取り寄せる
利息の引き直し計算を行い、過払い金の金額を算出する
貸金業者へ過払い金請求書を発送する
賃金業者と交渉を行う
(和解が成立しなかった場合)訴訟を起こす

では、詳しく見ていきましょう。

貸金業者から取引履歴を取り寄せる

カード会社の公式サイト、もしくは問い合わせ先に電話して、取引履歴の開示方法を確認後、取引履歴を送付してもらいます。カード会社によっては、手数料がかかる場合もあります。

利息の引き直し計算を行い、過払い金額を算出する

次に、開示された取引履歴の記載内容をもとに、利息制限法の上限利率での返済額の再計算を行います。グレーゾーン金利に基づいて実際に返済した利息と、法廷金利で返済した場合の利息を計算し、これらの差額で過払い金額を算出します。
返済の遅延・滞納の有無や、同一の借入先との取引回数などによって、過払い金は変わる場合があります。

過払い金額の算出は無料計算ソフトを使い自分で行うこともできますが、正確な過払い金額を算出するのが難しいこともあります。

貸金業者へ過払い金返還請求書を発送する

貸金業者へ、内容証明郵便で「引き直し計算書」と「過払い金返還請求書」を送付します。
この請求書は、主に以下の点を記載したものです。

 何年頃から何年間、取引があったのか
 利息の引き直し計算の結果
 いくらの過払い金が発生しているのか
 いつまでに返還して欲しいのか
 請求に応じないときには民事訴訟を検討するのか

賃金業者と交渉を行う

請求書の送付後、貸金業者/カード会社の担当者と口頭もしくは書面で過払い金の返還額や期日について交渉します。
借入先が返還に応じた場合や、請求する側が納得できる条件を提示してきた場合、合意書を取り交わします。
返還期日までに指定の口座へ入金がされるかを確認し、過払い金返還請求が終了します。

(和解が成立しなかった場合)訴訟を起こす

交渉の際に提示された条件が合わず和解が成立しなかった場合、訴訟を起こすことも可能です。
手続き期間は長期化しますが、請求している側が勝訴した場合、和解するより高額の請求が可能な傾向があります。

交渉で和解する、もしくは裁判で解決すると、指定した口座に過払い金が入金されます。
弁護士や認定司法書士に依頼した場合は、弁護士・認定司法書士の費用を差し引いた金額が追って入金されます。

クレジットカードの過払い金請求における注意点

リボ払いで発生した過払い金を請求すると、払いすぎた利息を取り戻せます。
それと同時に、以下の点に注意しなければなりません。

過払い金返還請求をした会社のカードは使えなくなる

過払い金請求をしたクレジットカードは原則的に解約扱いとなり、使用できなくなります。公共料金や携帯電話代などを当該カードでの引き落としにしている場合は、事前に支払方法を変更する必要があります。
付与されていたポイントなども失効するため、過払い金請求の前に確認しておきましょう。

信用情報に事故記録が登録される可能性がある(ブラックリストに載る)

リボ払いの返済が終わっていない状態で過払い金返還請求をすると、信用情報機関に事故情報が登録される可能性があります。
事故情報を登録されている間は、新規借り入れが出来ない、ローン審査などに通らないといった弊害が生じます。

過払い金請求を弁護士に依頼するメリット

リボ払いの過払い金をより多く、時間と手間をかけずに取り戻したい場合、弁護士へ依頼するのがおすすめです。
弁護士に依頼することで、債権者・裁判所との交渉や、書類の作成といった手続きを代行してもらえます。
また、訴訟を起こす場合そのまま弁護士に依頼することも可能です。
依頼費用はかかりますが、自分で行った場合の手間や時間を考えた場合よりも、満額に近い過払い金を回収できる可能性があるでしょう。

まとめ

クレジットカードのリボ払いで発生した過払い金を請求すると、払いすぎた利息を取り戻せます。
過払い金請求が可能な条件は以下の通りです。

1.キャッシングリボである
2.利息制限法の上限金利を超える利率で取引している
3.最後の取引から10年以内である(時効を過ぎていない)
4.対象クレジットカード会社や消費者金融が倒産していない

リボ払いの過払い金請求における注意点は以下の通りです。

・過払い金返還請求をした会社のクレジットカードは使えなくなる
・リボ払いの返済が終わっていない場合、信用情報に事故記録が登録される可能性がある

クレジットカードの過払い金をより多く、時間と手間をかけずに取り戻したい場合、弁護士へ依頼を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

石田直也

不安な気持ちを抱えている方、お話を聞かせてください。不安な気持ちが解消されるようお手伝いさせていただきます。

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